ライトノベル作家の文体

この種の意見に当たったのはなにも今日が初めてではないけれど。

ポスト〈セカイ系〉としての『ギートステイト』と、ライトノベル作家の文体についての疑問(改訂版)

それと、すべてがそうだというつもりはありませんが、評判をたよりに私が手に取る数少ないライトノベル出身作家の書く文章の中には、ある種の業務文書風というか、「キャラクターを描写するために選ばれた制度言語」みたいなものに感じてしまうものがあります。ハイファンタジーに一家言のある人が数人注目していたので買ってみた『狼と香辛料』も、文章それ自体は、ありきたりの味気ないものでした。もうちょっと文章にクセがあってもよさそうなものですが。

うーん、ライトノベルの読み方なんて個人の自由。つまり文章に重きをおいても勝手というものなのですが……
ぶっちゃけ文章に酔いたいなら、ライトノベルに時間割く必要はないというかむしろ期待しても不幸になるだけでしょうね。
だって、多数派の読者は流麗な文章など別に求めているわけじゃないですから。
むしろ、読みにくくなるので過剰な文章表現は邪魔者扱いされる可能性があります。
そもそも需要が少ないのだから、供給だってそれに合わせたものになるのは道理。


特に作品を特定はしませんが、需要の問題もあってライトノベルはキャラクター描写と物語に重点が置かれています。
もちろん魅せる文章を書く作家さんだって大勢いるわけですが、そういう方は大抵境界型作家と呼ばれる存在にシフトしていきます。
また、好んでライトノベルを読む層(例えば私がそうです)は、華麗な文章が嫌いなわけではないですが、キャラクターや物語の評価に重きを置いていて、文章については2番目3番目以下になる傾向があります。

つまり何が言いたいかというと……

ラノベはつまみ食い程度にすぎない方は、人の感想を参考に購入本を決める際に「文章についてはどのように評価されているか」をチェックした方がいいかもよ?


※予想外に記事が注目を集めてしまったので、http://d.hatena.ne.jp/tonbo/20070714/p2に追記しました。