イラストのないラノベに意味はあるんでしょうか。

さて、前もって断っておきますがあえて攻撃的なタイトルにしただけでホントに意味がないと頭から決めつけてるわけではないのであしからず。例えば電撃文庫のMissing13巻でイラストをあえて廃してきたのは「やられた」と感じました。

ぶっちゃけ、私はイラストとセットで売るパッケージ商品がライトノベルだと思っているので絵がないと前提が成り立たないことになってしまうんですが、まあそれはこの際脇に追いといて……。

今月本家で読了報告もした神栖麗奈は此処にいるにイラストが無かった件をみなさんはどう感じているでしょうか。

私には全く意味のない、単に売り上げを減らすだけの行為に感じられました。ただ、これは業界人ではない私には判断がつかない部分がありますのでもし差し支えなければ書店員の方、御影瑛路さんの2作の売れ行きについて情報をお寄せいただけるとありがたいです(コメント欄ですと問題があるかも知れませんのでまいじゃートップページの最下部にあるメールフォームをご利用ください)順調に売れているということであれば、「ごめんなさいまちがってました」と謝罪させていただきます。

追記:少なくとも前作に関しては「電撃文庫初のイラスト無し作品」という話題性もあってか「予想外に」売れたとのこと。ただ2作目についてはそれほどの初速ではなさそうです。




イラスト無しで売るという行為は、おそらく「作風的に文芸寄りの内容なのでそっち系の読者にも買いやすいようにした」といった類のものだろうと思いますが……私にとっての疑問点を挙げておきましょう。



1.そもそもイラストで引いてしまって買うのをためらうような層が、イラストに溢れた電撃文庫の中に埋もれたただ一作のイラスト無しの作品をわざわざ見つけ出してくれるか?

2.電撃文庫の主要購買層は、「イラストに惹かれて」買うことはあれど、「イラストがついてないことに惹かれて」買うことが果たしてあり得るか?



1については「非常に望み薄」と言っておきます。本を買う人は自分の好むジャンルの棚の前で品定めしますので、そもそも自分にとって縁のなさそうな棚の前には近寄りません。残る可能性としては、新聞の書評欄などで取り上げられることでしょうが……書評を見て買いに来る人が店頭でイラストを見て買うのを止めるということがなくなる、この程度しかイラストを無しにする利点が感じられません。

2は……まあ言うまでもないでしょう。イラストがないから買おうなんて考えるのはネットで感想を挙げるような奇特な人間の中のさらに奇特な一部の人だけです。なお、私自身の場合は「神栖麗奈は此処にいる」は、イラストの有無なんか最初から気にして買ってません。

大部分の読者は、イラストがついていることが当たり前な文庫の中に一冊だけイラストのない作品が混じっていた場合、ごく自然にスルーする可能性が高いのではないか、と考えます。


そもそも御影瑛路さんの作風は明らかに電撃の主流派からは外れているのは間違いないところですが、それでもあえてイラストをつけないメリットはどこにあるのか。
自分にはデメリットばかり目につきます。
御影さんの作品、特に2作目の「神栖麗奈は此処にいる」は、個人的に非常に気に入っていてぜひ多くの方に手にとっていただきたいおすすめ作品と考えているのですが、イラスト無しで売り出されているのが単なる電撃編集部の実験台にされていないことを願うばかりです。